見つけたトキの個体識別はできるかな?

2013.12.08(Sun)

過去3回のエントリでは、佐渡のトキ捜索を時系列順に紹介してまいりました。ここらは見てきたトキを”整理”してみましょう。

佐渡のトキは人の手によって放鳥された個体がほとんど。つまりどの個体がいつ産まれて放鳥されたのか把握されています。ほぼすべての個体に識別用の目印や足環が付けられています。

例えば、この個体。
IMG_2422.jpg


足元にご注目。3つのカラーリングと数字がついた足環が見えます。
IMG_2422b.jpg


これらの目印は放鳥トキ情報サイトで公開され、「放鳥トキの識別」コーナーで確認することが出来ます。
放鳥トキの識別のポイントは足環の三連のカラーリングの色と番号足環が基本になります。加えて足環の位置(左右どちらにつけているか、足の関節の上下どこに着けているか)も放鳥年によって変えているようですので、これも個体識別のポイントになります。

こんなふうに個体のバックグラウンドを調べられることは野鳥とは違う、放鳥トキならではの面白さ。自分がどんなトキを見たのか調べてみました。

まず冒頭の写真のトキ。カラーリングは「黒・青・オレンジ」。ナンバーリングは「8or3と1or7」に見えます。放鳥トキ情報サイトで見ると「個体番号18」で2005年産まれのメスで2012年の第7回放鳥で放たれた個体のようです。2012年放鳥の同期生は2009~2011生まれがメインです。生まれた年が早い割りに放鳥されたのは最近のようです。だいぶ長期間人の手で飼育されてから放鳥されたようです。この個体は案外甘えん坊なのかもし。

こんな具合に個体の情報も把握でき親近感も湧くというもんです。



その他の個体も調べてみます。
まずは上の個体番号18(左側)と一緒に写っている右側のトキ。
IMG_2536_20131208034015582.jpg


足元を見てみましょう。
IMG_2536b.jpg
う~~~ん、いきなり難しい。トキは田んぼの上をぐっちゃぐっちゃ歩き回るので、泥が跳ねて足環の色が見えにくかったり、写真を撮っても足環自体が泥の中に埋没してしまうことも多いです。
まず写真の左側の足がカラーリングです。関節の上に1個ついています。泥々ですが恐らく「白」。放鳥トキ情報サイトによるとカラーリングを関節の上下に分散するように付け出したのは2011年の第4回以降です。右側の足の大きなリングがナンバーリングだと思いますが、数字は読み取れません。が、これを着ける場所を関節の下にしたのは第4回放鳥以降のようです。(個体番号18は第7回放鳥ですが、リングの位置は相当初期の放鳥時と一緒。やっぱり居残り個体だったせいなのでしょうか。。。)



これだけの情報ではさすがに個体の特定は厳しい。別の角度の同じ個体の写真がこれ。頭頂部まで泥泥になって餌を探しています。。。
IMG_2469.jpg


カラーリングはちょうど草に阻まれてますが、他の写真を見ても、結局この個体の下二個のリングは泥まみれで色はわからずじまいでした。ナンバーリングは数字は分かりませんがどうやら濃い色であることがわかります。
IMG_2469b.jpg
トキについているナンバーリングは緑色と白色の2種類。緑色は比較的初期の個体に、白色は個体番号が100を超えた若い個体に着いています。放鳥トキ情報サイトでみると緑色のナンバーリングを着けて、カラーリングの一個目が白いのは2011年の第5回放鳥時の個体のようです。2009年から2010年生まれの若い個体です。


次は難易度が高いです。上記の5回放鳥個体(左側)と一緒にいたこいつ(右側)。
IMG_2557.jpg


足元をアップ。
IMG_2557c.jpg
、、、リングが無いように見えます。



別の角度から。
IMG_2512.jpg
やっぱりリングが無いような・・・。


たまにリングなし個体もいるのです。放鳥トキ情報サイトによると「2012年に野生下で誕生したトキ」にはリングがついていないとのこと。リングなし個体は2013年11月現在8羽いるようですので、佐渡の全トキが90羽弱ですので人口の約10%がリング無し。


どんどん行きましょう。

ダイサギくん達に混じっていたこの個体。
IMG_2677_201312080409089a3.jpg



足元をアップ!
IMG_2677b.jpg
これは分かりやすい。関節の上に白、下に緑・緑のカラーリング。そして関節の下に1(or7?)4の白いナンバーリング。第6回放鳥で放たれた個体番号114の2011年産まれメス。


続いてはこちら。114と同じ田んぼにいました。
IMG_2700.jpg


足元をアップ。
IMG_2700b.jpg


またリングなしか!?


次はこちら。田んぼで仲良く餌を食べていた2羽。
IMG_2763.jpg


分かりやすい左の個体から行きましょう。
IMG_2763b.jpg

カラーリングは関節の上に「黒・オレンジ・緑」でナンバーリングは数字は読めないけど関節の上に緑。第2回放鳥の25番の個体。2008年産まれのメスですね。なかなか野に放たれてから期間が長い個体です。

隣にいた個体は
IMG_2763c.jpg

不鮮明ですが、リングなしかなー??わかりませんでした。

次はこちら。
IMG_2794_20131208042138722.jpg

楽勝そうです。事実この個体は一番近くに寄ってきてくれた個体です。ナンバーリングも鮮明に写っていますし、カラーリングもしっかり写っています。

足元をアップ。
IMG_2794b.jpg

カラーリングは関節の上に白。下に濃い色とオレンジ(or赤??)、ナンバーリングは3or9と1or7か。。。

別の角度の写真もあります。
IMG_2796.jpg


足元をアップします。
IMG_2796b.jpg
緑のナンバーリングと、下2つのカラーリングが写っています。白とオレンジか??

あれ?先ほどの足元のアップ写真のカラーリングの2つ目は濃い色に見えたんだよなぁ、と写真を見比べます。二つ目のリングの断面は確かに白そうですが、表面は白なのか泥で色が着いちゃっているかよくわかりません。

とにかくカラーリングは「白・○・オレンジか赤」緑のナンバーリングを放鳥トキ情報で検索。一個目の白リングと緑色のナンバーリングから第5回放鳥ということが分かります。該当するのは85か91か95。数字のナンバーリングの数字の感じからいうと91ですが、そうなるとカラーリングは「白・青・オレンジ」この真ん中のリングは青には思えないような。といってナンバーリングも85にも95にも見えないしなぁ。。。ということで悩んでしまいました。識別はやっぱり難しい。
仮に91番個体としたら2011年第5個回放鳥で放たれた2009年生まれのオスとのこと。


あと個体識別用にペイントをほどこされた個体もいますがこれは放鳥されたばかりの個体のようです。
IMG_2783_2013120804160255f.jpg

この個体はすべてオレンジ色のペイントなので2013年9月末に放たれたばかりの2010年生まれのメス。157番です。


トキは泥の田んぼにも容赦なく入って泥だらけになっていますので、足元からの情報でのなかなか個体識別も容易ではないです。でも見分けられたときは何か嬉しい。放鳥トキならではの面白さです。

今回は識別出来たものは、18番、25番、91番?、114番、157番。その他2011年の第5回放鳥時の個体とリング無しか識別できないものが数羽。その他上空を飛んでいるものも何羽かいることがわかります。。


さて、ここ4回のエントリは見てきたときの情報を中心に掲載しましたが、次回は佐渡で野生のトキを見つけるということに対して、その難しさというか感想というかちょっとしたコツ(というとおこがましいですが)を記したいと思います。私も一回しか佐渡に行っていないので偉そうなことは言えませんが、一回の佐渡訪問の機会しかないけど野生のトキを見たいという方もいるでしょうし、一回の訪問で自力でトキを見つけるという感覚は初訪問の今時点でしかわからない感覚なので、案外貴重かもと思いつつ。

このブログは一応アザラシサイトの管理人ブログ。でもトキ探しは本サイトでよくやっていた野生のアザラシ探しにも通ずるものがあり、そこで培った嗅覚と共通なものがありました。
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